Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

柿右衛門 kakiemon

何色と言えばいいのか・・・

横浜イングリッシュガーデンには2200種程のバラがあるそうですが、「ローズ&シュラブガーデン」エリアのオレンジ系のバラが集めてある一角で、一際、その鮮やかさが目立つバラです。

 

柿右衛門 kakiemon

日本 
小川宏(バラ工房 パティオローズ)作出

昨年、2023年5月撮影↓

今年5月撮影↓

オレンジ、サーモンピンク、コーラル・・・色変わりが美しいバラです。
蛍光のような色味も感じられ、他のバラでは見ることがないような発色の良さが、目を引きます。
花びらの数がそこまで多くないので、写真で見るとあまり感じないけれど、実際に遠くから見た時にスッキリした印象があり、名前に引きづられてかもしれませんが「水際だつ」とでもいうような和テイストを感じます。

 

名前は陶芸家の柿右衛門にちなんでつけられたのだと思います。
1670年代に酒井田喜三右衛門(初代柿右衛門)が赤絵の磁器の焼成に成功し、その後現在(15代)に至るまで、名前が襲名され、伝統の技術が引き継がれています。

 

陶芸家・柿右衛門の名は初代が柿の色を見事に表現したので、そのように呼ばれるようになったという説がありますが、15代柿右衛門さんのインタヴュー記事によると、名前の由来は伝わっていないそうです。
また柿右衛門窯の敷地内に柿の木が植っていますが、歌舞伎「名工柿右衛門」の中に出てくる柿の実の色と赤絵の色とを結びつけたエピソードも創作だそう。

 

さて、この美しいバラの上に枝垂れかかって咲いているのは、つるバラ「珠玉」。
お互いを引き立てあっています。

次回は「珠玉」をご紹介します。