Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

エスプレッソ Espresso

どうも割高な感じが・・・

前回に引き続き、コヒーにちなむ名前のバラ「エスプレッソ」。

 

エスプレッソ Espresso

日本 2005年
寺西菊雄 作出

濃い茶がかった赤からオレンジ、ピンクが差して、色変わりが美しいです。

 

エスプレッソは、深煎りで細かく挽いたコーヒー粉に圧力をかけて一気に抽出するイタリア発祥のコーヒー。
ペーパードリップで入れるコーヒーと比べると、一杯あたり、だいたい12g程度の粉を使って、出来上がる量は、エスプレッソがドリップコーヒーの5分の1程度なんだそう。
どうりで、コーヒーのエキスというのか濃くてドロっとしていますものね。

旨みをギュッと閉じ込めたエスプレッソは、少ない量だからこその味わいで、2、3口で飲み干すものなのですが、自分は食い意地が張ってるので、エスプレッソの見た目だけだと、量が少なすぎ、割高という感じがしてしまう・・・

 

作出者の寺西菊雄氏は、1934(昭和9)年、兵庫県生まれ。
「天津乙女」「ニューウェーブ」などを作出された日本を代表する育種家です。
バラ専門のナーセリー、イタミ・ローズ・ガーデンの2代目園主をされていました。

寺西氏が、バラに触れるようになったのは、4歳の頃から。
伊丹ばら園(のちイタミ・ローズ・ガーデンに改名)を創業した叔父さんの影響だそう。

色々な育種家の方たちの育種家への道のりをみてきましたが、子供の頃にバラに目覚めたという方が結構います。
私は子供の頃、育種家という仕事があるなんて知りませんでした。

インターネットで個人が入手できる情報量が飛躍的に増えた現在は違うかもしれませんが、以前は、親族に育種家や農業従事者がいたりということがないと、育種家を目指そうということには、なかなかならなかったのではないでしょうか。

時々、自分が子供の頃にインターネットがあったら、もっと色々な可能性が広がったのに、と残念に思うことがあります。
でも逆に、自分が好きだ、得意だと思ってやっていることが、ちょっと検索すれば、世間から見れば、レベルの低いものだった。自分には才能があるかもと思ったのは幻想で、もっともっと上があるのだということを瞬時に知らされることになる。
これは、なかなか酷なことだとも思うのです。

上を知ってさらに頑張るという気持ちになれればいいけれど、「自分は凡人である」ということを子供の頃から、徹底的に思い知らされるというのか・・・私の子供の頃はもうちょっと「根拠のない自信」を抱けて、それだからこそ努力を続けられ、向上心を持ったり、モチベーションを保てた気もします。

もっとも親世代がすでに、インターネットのある時代に生まれていて、その人たちの子供となったら、インターネット普及以前を全く知らないわけだから、意識も違うのでしょうね。