ニンバス Nimbus
イギリス 1989年
Bill Le Grice 作出
何色と言えばいいのか、なんともすてきな色あいです。
こちらは横浜イングリッシュガーデン(YEG)の「ローズ&グラスガーデン」に入ってすぐのところ、珍しい桜「須磨浦普賢象」の下あたりに植えられています。
YEGの桜「須磨浦普賢象」
この桜は、1990年に神戸市須磨浦公園内に植えられていた普賢象(花色はピンク)の枝がわりとして発見されたそうです。
写真は咲いてからまだ時間が経っていないので、黄色ですが、咲き進むにつれて、ピンク色が混じり、複雑な色合いになっていきます。
YEGでは、この桜の下あたりに、ニュアンスのある色合いのバラが数種類植えられており、桜とバラの共演が見られる、心にくい演出となっています。
Nimbusというのは、雨雲を意味するほか、聖像の頭部を囲む光背、光輪などを意味し、そこから転じて人のオーラなどにもいうそう。
花の中心部から広がっていく色のグラデーションが神秘的です。
作出者が命名の際に意図したのは、光背や光輪のイメージでしょうか?
ところで、「ニンバス」という言葉、聞き覚えがあるような・・・
ハリー・ポッターに出てくるホウキの名前じゃなかったかな? と後で調べたら、ハリーが最初にクイディッチの試合に使ったホウキの名前が「Nimbus2000」でした。
マクゴナガル副校長から授けられたホウキです。
こちらのネーミングは魔法の世界だから、「雨を呼ぶ雲」というのもかっこいいと思うけれど・・・
そういえば、戦国武将の武田信玄の愛馬の名は「黒雲」。
たいへんな暴れ馬で信玄以外に乗りこなせるものはいなかったというエピソードがある馬です。「黒雲」強そうで速そう。
「名付け」というのは、名付けたその瞬間から、名付けた対象との物語、歴史が始まるんですよね。
バラに名前をつけるって、とってもロマンチックに思えるのです。
追記
4月中旬に、黄色の花がたわわに咲いていた桜「須磨浦普賢象」を撮ってから、3週間後。
ゴールデンウィーク最終日でも花が残っていました。もう少し早く撮ってあげればよかったのですが、色変わりの様子をご覧ください。