Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

マリー・パヴィエ Marie Pavie

飾り文字のように

花色は初めは淡桃色、やがて白に変化していく、優美なバラ。

 

マリー・パヴィエ Marie Pavie

フランス 1888年
Alohonse Alégatière 作出

主幹となる枝から伸びて、花を付ける枝(花茎・花首)をバラではステムと呼ぶそうですが、このバラはステムが長め。

その長めのステムにふんわりした花が房になって、うつむき加減に咲く様子が優しげですてきなバラです。

 

こちらは「四季の香ローズガーデン」で撮影したもの ↓
右下あたり、ステムの長さがわかります。

このバラの名前、マリー・パヴィエ(Marie Pavie)はフランス女性の名前のようですが、バラの記事をかなり検索してみても、バラの名前のもととなった人物についての表記は見つかりませんでした。

 

Marie Pavieという名前では、ウィキペデアに一人出てきました。
17世紀初頭にフランスで活躍したカリグラファー(書道家)で、自分の名前でカリグラフィーの本を出版したおそらく最初の女性。その生涯についてはほとんど知られておらず、2冊の本が現存するのみだそう。

シカゴのニューベリー図書館所蔵の本をネットで見ると、彼女の手による飾り文字の優美な曲線とバラのマリー・パヴィエの風情が重なってくるような・・・
とはいえ、バラの名前の由来については、海外サイトにも記されていないので、実際のところは、作出者 Alohonse Alégatière氏の周辺にいた人物の名前から取られたのかもしれません。

 

雨に濡れるマリー・パヴィエ

しっとりして、ロマンティックですね。
優しげでたおやかな雰囲気だけれど、結構丈夫で育てやすいバラだそう。