Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

一葉 Ichiyo

明治の歌人、小説家に捧げられたバラ

 

先日、デパートで買い物をした際に、お釣りに新5000円札が入っていました。
初めて見た新札です。
3Dホログラムがすごい! ハリーポッターの肖像画みたいです。

新5000円札に描かれているのは、津田梅子ですが、今回は旧5000円札に描かれている樋口一葉にちなんだバラです。

 

一葉 Ichiyo

日本 2006年
河合伸志 作出

5月頭に横浜イングリッシュガーデン(YEG)で撮影しました ↑
四季咲き性なので、遅咲きというのは違うかもしれませんが、春は他のバラより遅めに咲く印象です。

 

鉢植えの場合、咲いてからあまり日を当てない方が、花の緑味が強くなるのだそう。

 

樋口一葉は、1872年生まれ。『たけくらべ』『にごりえ』などの作品を書き、1896年に24歳で早逝した作家です。
作家としての活動期間はわずか14ヶ月だったそう。

父が事業に失敗、負債を残したまま亡くなり、一葉は、17歳という若さで家督を継ぎました。
母と妹と女3人での暮らし。負債を抱えての生活は大変苦しいものでした。

一葉というペンネームも、インドの達磨(だるま)大師が一枚の葉に乗って中国に渡ったという伝説をふまえ、「達磨も私もお足(銭)がない」という意味でつけたと語っていたそうです。

5000円札が樋口一葉の絵柄になったのは2004年。新札になると聞いた時、また変わるの?って思いましたが、もう20年経ってるんですね。

 

5月下旬 花付きもよく、花持ちも良い。

真っ直ぐに茎が立ち、花は薄い黄緑色。華美ではないけれど、凡庸ではない、凛とした趣が、樋口一葉のイメージと重なるようです。

ちなみに桜にも「一葉」という名前のものがあります。こちらはピンク色の八重桜。
名前の由来は、花の中央から雄蕊の一本が葉のように変化し、突き出ることからついたそうです。