Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

アレキサンダー・ジロー Alexander Girault

 

横浜イングリッシュガーデンのバラのトンネルを飾るバラの一つ。

アレキサンダー・ジロー Alezxander Girault

フランス 1907年
Barbier Frères & Compagnie 作出

 

このバラも交配にテリハノイバラ(照葉野薔薇)が使われています。

前回紹介した「アウグスタ・ルイーゼ」もこの「アレキサンダー・ジロー」もランブラーローズと言われる系統のバラ。

 

ランブラーローズとは、つるバラの中でも「ノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)」や「テリハノイバラ(ロサ・ルキアエ)」、「ロサ・セティゲラ」など原種を交配親とする系統のことを言います。
親の原種の強健さを引き継ぎ、小輪で房咲き、花付きがよく、枝の伸長力が強い。
基本的には一季咲きです。

 

YEGのバラのトンネルが見られるのも、春だけ。

名前は、1870年創業のベルギーのナーセリー、レンズ・ローズ(Lens Roses)のサイトなどによると、作出者のバルビエ兄弟が営む家族経営のナーセリーBarbier Frères & Compagnieの従業員の一人の名前から取られたとありました。

 

このアレキサンダー・ジローがふんだんに使われているので知られるバラ園がフランスにあります。

パリのボン・マルシェ百貨店で財を築いたジュール・グラヴロー(Jules Gravereaux) が造園家・園芸家のエドゥアール・アンドレ( Édouard André )に設計させたヴァル=ド=マルヌのバラ園(Roseraie du Val-de Marne)ライレローズ(L'Hay les Roses)です。

 

こちらは、世界で初めてバラだけを植えた庭園と言われています。
ランブラーローズなどがいくつものアーチに絡められ、バラのトンネルができています。
庭園のフォーカルポイントとして、金属製のドームとその両翼にアレキサンダー・ジローが絡められています。

このバラ園には古いバラも集められており、バルビエ・ローズの大規模なコレクションもあるそうです。