Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

アドミラル・ロドニー Admiral Rodney

 

イギリス海軍の軍人の名前がついたバラ。

アドミラル・ロドニー Admiral Rodney

イギリス 1973年
Cliff Trew 作出

 

イギリス海軍提督 ジョージ・ロドニー(George Brydges Rodney 1719-1792)にちなんで名付けられたバラです。

ジョージ・ロドニーは、フランス、オランダ、スペインとの戦いにおいて、いくつかの重要な海戦で勝利しました。
海軍戦略家として優れた資質があったようです。

一方で、人物としては、虚栄心が強く、利己的、尊大で自惚が強いなど悪評も。
浪費家で、ギャンブル好き。政界への野心も強く、出馬のために財産を減らし、社交界で派手に振る舞いながらも、内実は経済的に困窮していました。
借金から逃れるためにフランスに住んでいたこともあります。
戦争では、賞金や戦利品の獲得に熱心で、度々物議を醸しました。
身内贔屓も激しく、息子たちをいきなり高い地位につけるなど、部下たちはロドニーに忠誠心や尊敬を示すのが難しく、親しい立場であった人々も彼を激しく批判しました。

しかし、フランス軍と戦った「セインツの海戦(1782)」において、決定的な大勝利をおさめ、国民からの賞賛を浴びました。

その功績により、1781年にオランダ領であったシント・ユースタティウス島を占領し、島の資産や私有財産を略奪した問題行動についての調査委員会も解散となりました。
男爵にも叙せられ、年金をもらえるようになり、晩年はそこそこ穏やかに暮らせたようです。

毀誉褒貶が激しく、色々な批判や訴訟などもありましたが、最後は逃げ切ったと言うところでしょうか。

 

名前のついたバラは、花形も美しく、優美。香りも良い。
ロドニーさんも満足しているのではないでしょうか?