9月末から旅が続いて、間が空いてしまいました。
旅で見かけたバラ。
岳の夢 Gaku no Yume
ドイツ 2011年
Kordes 作出
北海道の「風のガーデン」の奥にある「薔薇の庭」に咲いていました。
「岳の夢」は、テレビドラマ『風のガーデン』(2008年)の脚本を書かれた倉本聰氏命名のバラです。
ドラマは未見ですが、中井貴一さんが主演。
麻酔科医で緩和医療にも携わっていた医師が癌に侵され、余命わずかとなり、断絶していた家族との絆を取り戻そうと家族のいる富良野へ戻るというストーリーのようです。
中井さんが演じた医師の知的障害のある息子の名前が「岳」で、神木隆之介さんが演じました。
そのドラマの中で使われた庭が「風のガーデン」で、上野ファームの上野砂由紀さんが作られました。富良野の新富良野プリンスホテルの庭です。
どういう経緯があったのかわかりませんが、最初は倉本聰氏が、ガーデナーの上野砂由紀さんに、ホテルのゴルフ場跡地の庭のデザインを依頼したことから始まるそうです。
庭は2年がかりで作られましたが、その庭のアイディアを話し合ううちに、庭を舞台にしたドラマを作成することになったとのこと。
ドラマのために作られた庭でなく、庭を作る過程で倉本氏がインスピレーションを得たことで、ドラマが生まれたのですね。
花の名前の立て札にこんな言葉が。
「ガブリエル様に会うことです。」
ガブリエル様って・・・?
最初に見た時に、一瞬「バラがバラに憧れてる? そんなわけないよね・・・」と思いました。
河本純子氏作出のバラに同名のバラがあるんです。
ドラマを見ていないので、はっきりしませんが、ネットに出てきた記述によると、「ガブリエル様」とは、大天使ガブリエルのこと。
岳が父親とは知らずに中井貴一さんが演じる医師を大天使ガブリエルと思い込んでしまったことによるようです。
「風のガーデン」の奥に「薔薇の庭」があって、原種のバラが多く植栽されています。
秋は、ローズヒップが美しい。
写真↓ 手前が多分、ロサ・グラウカのローズヒップ。
奥側の赤い実がなっている木は、カンボク(肝木)というガマズミ科の落葉樹です。
カンボクの実↓
こちらもツヤツヤとしたローズヒップが美しいロサ・カニナ↓
「風のガーデン」
ドラマに使われた建物
東京あたりではなかなかこうはいかない、枯れ姿が絵になります。
澄み切った空気、草紅葉やシードヘッドなどが、冴えた色の花と混じって美しい。
北海道は木々の葉が色づき始めたところ。
空港からバスで走り出すと間もなく、道路沿いに延々と山萩らしい黄葉がみられ、ネバリノギクの紫の花が入り混じって咲く秋らしい風情に旅心が弾みました。
北海道の庭はだいたい10月半ばには営業終了となり、再開するのは来年の4月に入ってから。
最後の輝きを放つ庭は見応えがありました。