横浜イングリッシュガーデンには、切り花品種のバラも植えられています。
こちらも多分切り花品種だと思います。
アンティーク・ブーケ Antique Bouquet
オランダ De Ruiter 作出
De Ruiter社は、オランダのアールスメール近郊にある、切り花とポットローズを中心に扱っている育種会社で、1913年創業。2015年以来、オランダ国王からオランダ王室御用達の称号を授与されています。
切り花はあまり耐病性が求められないのもあって、切り花品種のバラからガーデンローズに転用された品種は、Interplant社のバラと同様に、耐病性が弱い傾向があるようです。
独特な花形が目をひきます。個性的でおしゃれなバラだと思いますが、De Ruiter社のホームページを見ると、現在扱いがないようです。
ところで、De Ruiter社のホームページを見ていて、ちょっと驚いたことがありました。
De Ruiter社が扱っているプロダクツのジャンルに、切り花用バラ、鉢植え用バラ、庭植え用バラなどと並んで、「ローズヒップ」というジャンルがあったのです。全部で9品種載っていました。
実の色味はオレンジ〜赤、一枝に40〜100個くらいの実が付くようなもの。
写真が載っているのですが、実のついた枝全体の様子と寄りめ、実のアップの3画像だけ。
どんな花が咲くのか知りたい、と思ったのですが、花の画像はなし。
最初から、ローズヒップが目的とされるバラです。
確かに、フラワーアレンジメントやオーナメント用、あるいは食用として実を使うのだから、花は関係ないといえばそうなんだけど・・・
名前の付け方もおざなりと言っては悪いけれど、「Big Hiphop」「Early Hiphop」「Easy Hiphop」「Twinkle Hiphop」・・・
「Ladybug(てんとう虫) Hiphop」まあ、これはかわいいかな?
なんとなくバラなのに、実だけってちょっと不憫な感じがしてしまいました。
実が美しいというのも優れた資質のあるバラということだから、勝手に不憫がったりしたら、逆にバラに失礼かもしれませんが。
日本でもローズヒップ目当てのバラが販売されているかちょっと検索してみたら、食用の「ドッグ・ローズ(ロサ・カニナ)」のほかに、主に観賞用と思われる「センセーショナル・ファンタジー」という品種が出てきました。
こちらもオランダのバラで、1944年創業の育種会社、Kolster社で作出されたバラ。
Kolster社はバラ以外の植物をたくさん扱っていますが、掲載のバラは17品種で、そのうちローズヒップを楽しむものが9品種。
こちらのネーミングは、全部頭に「ロサ・マジカル (Rosa Magical )」がつき、日本で「センセーショナル・ファンタジー」として売られているバラも「ロサ・マジカル・センセーショナル・ファンタジー」というのが正式名称です。
(ここの会社、ほとんどの植物の名前に「マジカル」がつきます。アジサイのマジカルシリーズは日本にもたくさん入ってきています)
ちなみに他のローズヒップを楽しむバラの名前は、ロサ・マジカル以下「 サンセット」「ミラクル」「プライド」「デライト」「パッソア(パッションフルーツのお酒?)「オータムズ・グローリー」「オータムズ・ブラッシュ」「オータムズ・フェイム」。
花を楽しむバラは全部「マジカル 〇〇 パフューム」という名前で、〇〇に入るのは、ピンク、ルビー、ソフト、サマー、サニー、サンセット、スイート、ホワイト。
なんかね、もうちょっと夢のある名付けをして欲しいと思ってしまうのは、私が「言霊信仰の国、日本」の人だから?
「岩根絞」「御所車」「菊更紗」「月の都」「白雁」「峰の雪」「角葉珍山」「雪見車」「本所の月」「古金蘭」「眉間尺」「空蝉」「荒獅子」「熊坂」「衆芳唐子」「崑崙黒」・・・
全部椿の名前です。
近年の外国から来た園芸植物の名付けはともかく、江戸の園芸ブームの頃やその流れで名付けられた、菖蒲、桜草、菊、朝顔など、名前が凝っています。
去年、京都府立植物園の朝顔展に行った時、種を販売していたので、買ってきたのを今年蒔いてみました。
買ってきたのは4種、「暁の夢」「渓流」「雷光」「曲水の宴」。
昭和に入ってからの品種かと思いますが、どうですか、このネーミング。
名前を聞いただけでもイメージが広がりますよね〜
花の名付けは、このくらいの熱量を持って、つけて欲しいと思ってしまうのです。
種を蒔いたのが遅めのせいか、ベランダの「暁の夢」は葉は茂っているのに、つぼみがなかなか大きくならず。
他のは混ぜ植えで、どれがどれやらなんですが、多分「曲水の宴」か「渓流」(どちらも黄斑入蝉葉・浅葱縞吹雪)が咲きました。
近頃の東京は雨風が激しくて、咲く前につぼみが傷みがちな上、咲いてからも風に煽られてしまって。
黄色くなってしまった葉っぱが目立つ。直射日光に当たりすぎ、水切れが原因かもしれないです。
2、3日留守にしたり、家にいる時でも、葉っぱが暑さで、ぐったりなっているのはわかっていても、長い支柱を立てて、紐を回し掛けしてある大鉢は、狭いベランで日陰に移動するのは難しい。近頃また腰痛もあるし( ; ; )
ベランダで朝顔を育てるのは、結構大変です。
でも、朝、ドヨドヨと起きながら、「そうだ、朝顔が咲いてるかも」と思うとパッと気分が上がる。
早起きのモチベーション、朝の楽しみを提供してくれるのが、朝顔の魅力です。
なんだかんだ言いつつも来年もやっぱり夏は朝顔となりそうです。
バラの話から思いがけないところに着地ですが、今回はこの辺で。