ファンシー・ラッフル、ファイヤーワークス・ラッフルと紹介したので、ラッフルローズ・シリーズの他のバラも。
横浜イングリッシュガーデン(YEG)の「ときめきガーデン」に配されています。
グラマラス・ラッフル Glamorous Ruffle
オランダ 2014年
Interplant 作出
花びらの一枚一枚が、「山」という字のような形をしています。
上、二枚の写真は2023年YEGでの撮影。
今年のYEGの花↓
京成バラ園芸でネット販売していたラッフルローズ・シリーズは、この他に2種類。
「ピンクレディ・ラッフル」と「レッドレディ・ラッフル」。
これらもYEGにあるのかもしれないのですが・・・なにしろ2200種ほども植っているので、開花状態の良いものを中心に写真を撮りながら回っていくと、毎回、初撮影になるバラが出てきます。
京成バラ園では、ラッフルローズ・シリーズがまとめて植えてありました。
レッドレディ・ラッフル(Interplant 2016)
ラッフルローズ 色々↓
京成バラ園では、「ピンクレディ・ラッフル」を単体で撮り損ねました。
個人宅で見かけたもの↓ ピンクなの?という感じなんですが、花びらの底に黄色が見えるのが特徴です。
ピンクレディ・ラッフル(Interplant 2016)
ラッフルローズ・シリーズは、オランダのInterplant社の作出。
以前にも書きましたが、切り花の育種で定評のある会社です。
一方、庭植え用のガーデンローズに関しては、Interplant社作出のバラはあまり強くなくて、日本で育てるのは難しいとのこと。
だからでしょうか、京成バラ園芸のネット通販では、ラッフルローズ・シリーズで、現在販売されているのは、ファイヤーワークス・ラッフルの一種だけです。
切り花品種は基本的には温室で栽培するので、屋外で育てると病気が出たり、害虫にやられてしまったりということもあるようです。
後述するように変わってきていることもありますが、切り花と庭植え用のバラでは、育種の目指す方向性が違ってきます。
切り花品種は、温室で1年中花を咲かせる四季咲きの生産性の良いバラが選ばれ、花が均一の大きさに咲くこと、花保ちの良さなどが重視され、香りについては後回しの傾向がありました。
また、切り花は室内でどう見えるか、というのもポイントで、室内の灯りの下での花色の見え方についても考慮されます。
花保ちの良さを優先し、完全に開ききらないバラが育種されたりもしています。
切り花品種は売れなければ淘汰され、5年間売れ続ける品種というのは稀なのだそうです。
切り花の品種の流れとしては、1990年代ごろまでは、剣弁高芯咲きのバラが多く、色によって定番種というのがあり、同一品種が大量生産されていました。
2000年台に入ると、用途の多様化や輸入バラへの対抗策として、日本人の好みに合わせ、カップ咲きやロゼット咲きなどアンティークな趣のあるバラや香りのあるバラなどが育種されるようになり、生産地での多品種栽培化が進んだそうです。
2017年時点では、世界で最も多くの種類、年間約1000種ほどのバラが流通しているとありました。(大田花きのサイト)
バラの花束は贈ることも贈られることも滅多にないので、切り花品種を目にする機会があまりないのですが、退職祝いにいただいた赤バラ、驚くほど日保ちしました。
残念ながら品種はわからないのですが、育種家の方の努力の賜物だったのですね。