Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

おぼろ月夜

おぼろ月夜 Oborozukiyo

日本 2012年
河合伸志 作出

 

おぼろ月とは、「ほのかにかすんで見える月」のこと。

唱歌の「朧月夜」の歌い出しが、「菜の花畑に入り日薄れ〜」で始まるように、おぼろ月の季節は春です。

なんとなく、「おぼろ月」というと満月を思い浮かべますが、月の形は問わず、三日月でも「おぼろ月」と呼ぶのだそうです。

 

水蒸気の多い春の夜空に、ぼんやりとにじむように光る月は、幻想的。

淡い黄色にほんのり赤みがさして、優しげなバラ。
はっきりしない花色とも言えるけれど、「おぼろ月夜」という名付けが絶妙で、ゆかしげに思えます。

このバラはドイツのコルデス社の「タイフーン」というオレンジピンクのバラの枝がわりだそう。
枝変わりというのは、突然変異によって、花色・花形・樹形などが親株と異なる性質を持った枝が現れる現象をいいます。

 

ところで、おぼろ月夜の写真を撮った時に、そばにオレンジピンクの花が咲いていて、別のバラだと思っていたのですが、どうも同じ株から咲いている?

先祖返りしたのかな?

 

「おぼろ月夜」はYEGのローズ&シュラブガーデンに入った左手の黄色いバラを集めたエリアの先の方に植っています。
YEGには「タイフーン」も植っていて、こちらは、ローズ&シュラブガーデンに入った右手側、オレンジ系のバラが多いエリア。レディ・エマ・ハミルトンの近所に植っています。

こちらが「タイフーン」↓

バラの枝変わりは完全に安定していない場合が多いので、先祖返りは珍しくないそう。
同じ花型でも色味で随分雰囲気が違いますね。