Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

ローザ・ヘルシューレン Rosa Verschuren

10番目の子

 

葉っぱが斑入りのバラ。

ローザ・ヘルシューレン Rosa Verschuren

オランダ 1904年
H.A. Verschuren 作出

 

作出者のH.A. Verschuren氏(1844-1918)は、オランダの小さな町、Hapsにある学校の校長でした。
趣味のバラ栽培に熱中し、教育かバラかという選択をせまられて、バラを選び、大きな事業へと発展させました。
晩年はバラの交配にも取り組んだそうです。

また子供、孫、ひ孫もバラの事業を引き継いでおり、分家のような感じで、他のナーセリーを立ち上げた方もいて詳細は追いきれませんが、本家と言えるロイヤルを冠したナーセリーを親戚筋から買い取ったMarc Verschuren氏(創業者のひ孫)が、Koninklijke Kwekerijen H.A. Verschuren & Zonen(Royal Nurseries H.A. Verschuren & Sones)という会社を引き継いでいます。

この一族は作出したバラに家族にちなむ名前を多くつけていて、息子たちが創業者であるH.A. Verschuren氏を記念して名付けた、Souvenir de H.A. Verschuren というバラもあります。

今回取り上げた、Rosa Verschuren は、H.A. Verschuren氏の末子(10番目の子)の名前をとったバラです。
バラの名前としては、単に「Verschuren」とも呼ばれるようです。

Koninklijke Kwekerijen H.A. Verschuren & Zonen のサイトのバラの解説によると、Rosa Verschurenさん(1898-1975)は、「率直であること」をモットーとし、誰に対してもその態度を貫いた、とありました。

 

2024年 秋の花
コスモスやアノダの花と↓

ナーセリーの近くには、Het Roozenhuys という場所が設けられ、一族が作り出してきたバラをコレクションしたバラ園があります。
最も古いバラは1899年作出のもので、100年前のベストセラーだったバラも見られます。
購入が可能なものもあり、古い品種の多くは素晴らしい香りで愛されているのだそうです。
お茶とケーキ付きでバラ園のガイドツアーもやっており、貸し出しスペースや宿泊施設などもあって、結婚式もできるそうです。