Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

スキャボロー・フェア Scarborough Fair

秋バラシーズン到来


横浜イングリッシュガーデンは、今、ハロウィーンディスプレイ中。
先日行った時は、ハロウィーンコスチュームを着た子供達や人形などをディスプレイと一緒に撮る人たちがたくさんいました。

芝生の広場にもかぼちゃがゴロゴロ。この広場の縁に立つ木がこんな姿で。

ゴーストっぽいですね。最初から狙って植栽したのかな? そうだとしたら、すごい遊び心。

 

秋バラも色々咲いていました。
秋はコンパクトにキュッと小ぶりで、濃いめの色になるものが多い中で、こちらのバラはふんわりと咲いていました。

 

スキャボロー・フェア Scarborough Fair

イギリス 2003年
デビッド・オースチン作出

 

先日訪れた軽井沢のレイクガーデンでも、たくさんの花が咲いていました。↓

薄いピンクの濃淡に黄色いシベ。コロンとしたカップ咲きで、花びらが少なめなので、素朴さもあり、愛おしくなるバラです。

名前の「スキャボロー・フェア」は、デビッド・オースチン・ロージズの解説によると、サイモンとガーファンクルによって有名になったイギリスのフォークソングにちなんでつけられたそうです。

スキャボロー・フェアは、元々は色々なバージョンで伝承されてきた歌ですが、内容は、誰か聴き手に、昔の恋人への伝言を頼むというもので、「縫い目のないシャツを作り、涸れた井戸で洗え」とか、「1エーカーの土地を海水と波打ち際の間に見つけろ」とか、不可能なお題ばかり。

その不可能なことができたなら、私の真の恋人になる、というのですが・・・
謎めいた歌詞です。

一説には、伝言を頼んでいるのは、すでにこの世にはいない騎士で、恋人への未練を断ち切れずに悪霊となって、通りかかる旅人に恋人への伝言を託そうとする。しかし、その願いを聞き入れてしまうと悪霊に魂を取られてしまうので、旅人は、魔除けのハーブの名前「パセリ、セイジ、ローズマリー、タイム」と唱えているのだとか。

他にも色々な解釈があるようですが、霊の頼み事を聞いてはいけないという戒めは、何か別の物語でも聞いたことがあるように思います。

強健なバラということですが、繊細で儚げ。
このバラが風に揺れているのをみていると、どこか哀しげで透き通った歌声のサイモンとガーファンクルの「スキャボロー・フェア」が聞こえてくるような気がします。