Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

ビエ・ドゥー Billet Doux

バラ色の人生

 

ビエ・ドゥー Billet Doux

フランス 2010年以前
Delbard 

 

淡いピンクと白の絞り模様。
甘い花姿に似つかわしい名前がついています。

ビエ・ドゥー(Billet Doux)とはフランス語で、「恋文」「ラブレター」のこと。

今、ネットで「恋文」「ラブレター」を検索したら、色々な楽曲や映画、ドラマなどのタイトルとして出てくるけれど、「恋文」で最初に思い出したのは、連城三紀彦氏の恋愛小説『恋文』。
本はもう手元にないけれど、カバーの装幀が白地にきれいなピンクとブルーが使ってあったのが印象的でした。

1984年の第91回直木賞受賞作。40年も前なのか・・・
連城氏もすでに故人ですが、当時、かなり話題になったように思います。
その年の紅白歌合戦の審査員もつとめておられるので、「時の人」という感じですね。
その後流行作家となって、ミステリー作品も多く手がけておられますが、繰り出されるトリッキーな仕掛けに、唸らされた記憶があります。

最初、お名前の字面、レンジョウ ミキヒコという響きから、前髪はらりの白皙の美青年を勝手に思い浮かべてしまいました。

そういえば『恋愛小説家』という映画がありましたが、小説家を演じるのは、ジャック・ニコルソン。
「恋愛小説家」なんていう甘いイメージの真逆にあるかのような人物キャラクターでした。
恋愛経験はないけれど、恋愛小説の大家で、作中では62冊目の本を書き上げるところ。
自己中心的、差別的で、悪意のある物言いをする。脅迫性障害を患っており、不可解なマイルールがたくさんある癖の強い偏屈おじさんとして描かれています。
そんな彼と彼の行きつけのレストランのウェイトレス(ヘレン・ハント)との恋愛物語でした。

脇を固める役者もいいし、マンションの隣人でゲイの画家が飼っている犬(ブリュッセル・グリフォンという犬種)の演技がすごくて、とてもかわいい。


この『恋愛小説家』と、ダイアン・キートンと共演したラブストーリー『恋愛適齢期』は時々見返したくなる映画です。

『恋愛適齢期』のニコルソンは、63歳で結婚経験なし、30歳未満の若い女の子としか恋愛しないというプレイボーイを演じていました。
ニコルソンの容姿は好みじゃないけど、この2本の映画ではとてもチャーミング。

 

バラの話からまた逸れてしまいましたが、このバラ、ビエ・ドゥーは、2017年にオーストラリアに導入された際は、「La Vie En Rose」という名前で紹介されました。

元々は、エディット・ピアフが歌った「La Vie En Rose」。邦題は「バラ色の人生」。

『恋愛適齢期』の中でもルイ・アームストロング版が使われています。エンドロールでは、ニコルソン自らが歌っているのが流れます。

実際に歌うシーンも撮影されていて、いい雰囲気なんだけれど、おそらく映画のテンポや長さの問題で、カットされている。
DVDの特典には入っているし、YouTubeでも見られます。
なかなか素敵な歌声です。