Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

ストレンジャー Stranger

Hello, Stranger.
ストレンジャー Stranger

オランダ 2000年頃
Olij Rozen B.V.  作出

薄いピンクと白の絞り。
甘めの雰囲気のある花姿だけれど、名前は "Stranger"
ストレンジャーというと、「見知らぬ人、よそもの、他人、訪問者、闖入者・・・」
なんとなくミステリー、ハード・ボイルド調のイメージがして、この花に付けた名前としては、ちょっと意外な感じ。
どんなニュアンスが込められた名付けなのかな、と調べてみるも、由来はわからず。

 

ピンクと白の色味のコントラストが弱めなので、絞りでも印象が柔らかい。
YEGのローズ&シュラブガーデンの木の茂みの下にひっそり咲いていて、絞り模様があるのを見過ごしてしまうところでした。

 

ネームタグに「ストレンジャー」とあるのを見たとき、ふと"Hello Stranger" という言葉が浮かびました。
"Hello Stranger" 記憶の元はなんだろう・・・と検索してみたら、1963年にバーバラ・ルイスが作詞作曲した "Hello Stranger" という曲がありました。
色々な人がカバーもしている 。
内容はこんな感じ ↓

ハロー ストレンジャー 久しぶりね。
あなたがまた戻ってきてくれて嬉しいわ。
どのくらいぶり? ずいぶん時が経ったように思う。
挨拶に立ち寄ってくれて、とても嬉しい。
昔を思い出したわ。
本当に長い年月が経ったように思う。
あなたがまたここに来てくれて嬉しいわ。

もしまた去っていくなら、昔のように私をかまったりしないで。
私はまだあなたを愛しているから・・・

 

メロウで懐かしい感じ。
こういう昔の歌をYouTubeで検索すると、コメント欄に、「亡き母(父)が、好きだった曲」などと書き込みがあって、いつも口ずさんでいたとか、一緒にこの曲で踊ったとか、短いエピソードが書かれていたりする。
なんだか映画のワンシーンみたいな光景を想像してしまう。

 

この曲には覚えがなかったけれど、映画かドラマで、"Hello, stranger." と呼びかけるシーンを見たような気がしてきて、調べてみたら、「クローサー」という映画で、ナタリー・ポートマンがジュード・ロウに言う印象的なシーンが YouTube にあがっていました。

この映画、多分見損なったかして、それまで行ったこともなかった場末の映画館で一人で見たんだけれど、パラパラしかいない観客の雰囲気も映画を見にきていると言うより、時間潰し? なんだか怖くて、場内が暗くなって、なおさら、ここで見るのはやめればよかった、と後悔しました。
そのことはすごくよく覚えているのだけれど、肝心な映画の内容はあまり記憶になく・・・でも YouTubeで見直した、"Hello, stranger." のシーンは鮮烈。それが記憶の底に残っていたのかな?

 

ずっと音沙汰がなかった人、あまり訪ねて来ない人に向かって、「久しぶりだね」という意味で、 "Hello, stranger." と言うのは、ちょっとおどけた、ユーモアのある言い方に思えます。

時には、ちょっぴり皮肉を含んだ言い方にもなるのかな?
バーのママとかが言う、「ずいぶんと、お見限りですこと」みたいなニュアンス。

 

だけど、初対面の人に "Hello, stranger."と言うと、
「こんにちは。見知らぬ誰かさん」・・・

それが様になって、決め台詞のようになるのは、とびきりの美人が言うからでしょうね。

 

次回はまた別の白とピンクの絞りのバラを紹介したいと思います。

 

追記:久々にみた映画、イギリスでベストセラーになった本の映画化作品『ハロルド・フライ まさかの旅立ち』の中で、夫(ジム・ブロードベント)に、妻(ダウントン・アビーでお馴染みのペネロープ・ウィルトン)が "Hello, Stranger"と呼びかけてました。
この記事を書いた後だったので、「!」となりました。 7.22