Portraits of Roses

横浜イングリッシュガーデン(YEG)のバラを中心に様々なバラを紹介します

ショウミー・サンシャイン Showmee Sunshine

あなたは、私の太陽

 

ショウミー・サンシャイン Showmee Sunshine

アイルランド 2005年以前
David Kenny 作出

 

前回、YEGには個性的なベンチがいくつかあると書きました。
このバラはローズ&シュラブガーデンの黄色いバラのエリアにある、青いベンチのすぐ横に植えられています。
4月はベンチが遠くからも見えます。

 

5月になると葉陰に。

1ヶ月ほどでこんなに変わる。4月、5月は本当にミラクルでマジカルな季節です。

 

このバラの名前、「Showmee Sunshine 」は、Show me sunshine. なら「私に太陽の光を見せて」という意味になるかと思うのですが、 mee と「e」が2つつくと違うニュアンスになるのでしょうか?
前に取り上げた、「ダーク・チェリー・パイ」「アイ・オブ・ザ・タイガー」の作出者のクリス・ワーナー氏作出のバラにも「Showmee Dansing(1999年)」「Showmee Music(2005年)」というバラがあるんです。「mee」って何? 気になる・・・

 

咲き進むと、花びらがそり返って、子供が描く太陽みたいな形になります。

YEGのこのベンチ脇は少し日陰になるような暗めの場所ですが、暗がりでも黄色が鮮やか。小ぶりの花ですが、目を引きます。まさに「サンシャイン」という感じで、青いベンチともマッチしています。

「サンシャイン」というと、思い浮かぶのが、"You are my sunshine"という歌。
子供の頃に聞いてからずっと「あなたは私の太陽」と陽気に歌う楽しい曲だと思い込んでいたのすが、ある日、歌詞を知って、びっくりしました。

聞き慣れている部分はオリジナルの二番なのでした。二番の歌詞はこんな感じ。

「あなたは、私の輝く太陽。私にとって唯一の太陽。あなたは、私を幸せにしてくれる。空が灰色の時に。あなたは決して知らないでしょう、愛する人よ。私がどんなにあなたを愛しているかを。お願いだから、私の太陽を持っていかないで」

一、三、四番の歌詞をざっくりまとめると、
一番「ある夜、愛する人を腕に抱いている夢を見た。けれど、目が覚めたらそれは勘違いだった。私はうなだれて泣いた。」

三番「私はあなたをいつも愛し、幸せにするだろう。あなたが私と同じように言ってくれさえすれば。けれど、あなたが他の人を愛するために私を置き去りにするなら、あなたはいつか、全てを後悔するだろう。」

四番「あなたは、かつて私を本当に愛していると言った。二人を分つものは誰もいないと。なのに、私を置き去りにして、あなたは他の人を愛している。あなたは私の全ての夢を打ち砕いてしまった」

歌詞だけ読むと悲しい歌です。それに、ちょっと怖い。

YouTubeで、Jimmie Davis のオリジナルを聞くと、あっけらかんと明るく歌っていて、恨み節には全然聞こえません。

他にも色々な人がカバーしていて、Jasmine Thompson が歌うのはものすごく哀切な感じ。Christina Perri のは透明感があって、スウィート。Music Travel Loveというカナダの兄弟デュオのもいい雰囲気。

アレンジや声質で同じ歌でもイメージがすごく変わる。
女性ボーカルの歌を男性が歌うのをきいたら、その歌を持ち歌にしてる女性歌手の容姿・言動や人物周辺に関するもろもろが霧散して、歌詞がダイレクトに心にしみたことがあります。カバーって面白いですよね。

バラから思わぬ横道へ入ってしまいました。

世界のどこかのだれかの庭で、小さなバラの太陽が心のうちに光を届けているかもしれません。